辛さを追求して早数十年。昔から辛いものが大好きで、何にでも一味やカイエンペッパーを掛けるのが我が家での日常です。
しかし、時折こう思うのです。究極の辛さとは何かを・・・。辛いだけでは、本当の幸せには届きません。旨さが辛さを、そして辛さが旨さをお互いに高め合う・・・そんな辛さに出逢うことが、辛いモノ好きの人々が追い求める桃源郷ではないでしょうか。
そして、そんな辛さと旨さの融合という意味で、中本の北極はかなり好位置につけていると思います。
さて、今回は中学3年になる息子が北極に初挑戦したいということで、二人で中本大宮店という戦場に足を運びました。
店内に入ると満席状態。食券を購入して左奥の壁際でしばし待機していると、丁度近くのカウンター席の2人連れが食べ終わり、そこに案内されました。息子も自宅で十分トレーニングはしてきましたが、万一北極が無理な場合を考え、僕は普通の蒙古タンメンに。
そして、いよいよ北極と蒙古タンメンが登場。
やはり、全く色が違いますね。息子は早速、スープから味わっています。北極は、最初の数口は甘みすら感じるのですが、3口目あたりからガツンと辛さが際立ち、以降ずっと辛さの曲線が維持されていきます。
そんな巨大な壁に、息子はわしわしと挑んでいきます。いつの間に、こんな頼もしく成長していたんだろうか・・・感動すら覚えつつ、自分も目の前の蒙古タンメンに箸を伸ばします。
うん、久しぶりに食べる蒙古タンメンは、オイスターのコクと香りが味噌の味わいに加わり、とても奥深い味わいです。そこに激辛の麻婆豆腐がキリっと刺激的で、何とも素晴らしい完成度を感じさせます。
そして、ふと息子に目をやると、お箸を持つ手が軽く震えているように見えました。「こんなに辛くて熱いのに北極っていう名前なのが、不思議だよね」と言う息子に、「北の頂点という意味で北極、そして辛さで手が震えるから寒いように見えて北極」と言うと、ああ~という腑に落ちた表情を浮かべ、再び目の前のドンブリに集中していきました。
結果、10分弱で完食することが出来ました。
北極は旨さと辛さがお互いに真っ向勝負して、素晴らしい味わいを体現していると思います。そして、辛さ的には控え目ですが「蒙古タンメンも素晴らしい美味しさなんだな」と再確認することが出来て、良いランチタイムでした。
そして、いつの日にか、この北極にテーブル上の壷から一味を6杯入れても「まだ辛くない」と言う我が嫁に追いつきたいと、あらためて思うのでした。
ご馳走様でした!