ipp学生時代、通学路だった渋谷で初牛丼(もう30年以上前ですが)を食べて以来、恐らく千杯以上の牛丼を食べてきました。自分にとって、その大半は吉野家さん。白ワインを使った独自のタレで煮込まれた牛肉・玉ねぎは、甘みと旨みが渾然一体となる美味しさで、忙しいゲーム開発の強い味方として、今でもよく食べにいきます。

そんな中、深夜に吉野家さんを訪れた際、昨年発売になり色々と話題になっていた「牛すき鍋膳」(一部店舗のみ取り扱い)がメニューにあったので、食べてみました。

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牛すき鍋膳(税込590円)に生野菜サラダ(税込100円)を注文。ドレッシングはゴマにしました。程なく、目前に料理が到着。おお・・・想像していた以上に豪華な印象です!

まずは牛すき鍋を何もつけずに一口・・・おお、何て甘さなんだ・・・!

火にかかった牛すき鍋は、タレが煮詰められているからか、単品では牛丼以上に甘く濃い印象です。しかし、これにとき卵に絡めるとまろやかさが加わり、味わいが深まります。なるほど、牛皿の延長線的なイメージを抱いていましたが、これは「すき鍋」名前の通り、ちゃんとすき焼き風な味の組み立てなのですね。白菜やお豆腐もこの濃い目の味がたまらなくなってきます。

美味しい!

半分を過ぎたところで、すき鍋にとき卵を回し掛けしてひと煮立ち。これをご飯に乗せて食べると・・・うん、まさにすき焼きのシメに食べるすき焼き卵とじ丼の味わいです。

そして、この牛すき鍋膳を食べていると、ふと新橋にあった牛すき鍋店のことを思い出しました。

社会に出て新橋のとある出版社で働きはじめた僕にとって、先輩に連れ回される食事の時間は何よりの楽しみでした。中でも、駅前にあった牛すき鍋の人気店「かめちゃぼ」は身も心も満たされる美味しさで、強く記憶に残っています。

そこは牛肉も野菜も生の状態ですき焼き鍋にギュウギュウにセットされた状態で出され、目の前のコンロでグツグツ煮込んでから食べるスタイルです。お腹が空いているからこそお店に来たのですが、そこから煮えるまで待たされる間、鍋が煮えてくるときの香ばしい香りが食欲をさらにそそり、空腹はピークを超えて絶望感すら感じはじめます。そのため、店内はいつも殺気立つような雰囲気で満たされていました。

ちなみに「かめちゃぼ」とは牛丼のこと。「かめ」は外国人が飼う犬の呼称(犬に「カモーン」と呼んでいるのを見た当時の日本人が「なるほど、あれはカメという名前なのか」と勘違いしたそうです)で、「ちゃぼ」は「ちゃぶ台」の「ちゃぶ」と同じで「ご飯」を意味します。つまり、外国人が飼っている犬が食べていた牛肉がかかったご飯のことを「かめちゃぼ」と呼ぶようになり、それが牛丼のルーツになったとか。面白いですね~!

・・・思い出の中の新橋「かめちゃぼ」とは異なり、完成された形で提供される吉野家の牛すき鍋膳ではありますが、火がついた鍋から立ち上る甘く香ばしい湯気に食欲が掻き立てられる点は、まさに共通するところです。

全ての吉野家で食べられる訳ではありませんが、牛すき鍋膳を提供している店舗がお近くにありましたら、お試しになってみてはいかがでしょうか?

きっと、いつもの牛丼とは違った楽しさ、美味しさが体感できるのではと思いますよ。
ご馳走様でした!

※牛すき鍋膳は一部店舗のみ取り扱いです。また、夏季は取り扱い停止する店舗もあるようですので、お出掛けの際はご注意のほど!

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